ちぎら動物病院コラム
コラム

猫の膀胱炎

 ここ連日、猫ちゃんの膀胱炎症状での来院がとても多いです。この時期の気温の低下との関連も考えられます。

 症状は、頻繁にトイレに通い、ほんのちょこっとずつ排尿したり、出ないでトイレから出てきたり、トイレ以外で排尿してしまったり、血液が混じっているのが確認出来るときもあります。

 このような症状を示す症候群を、FLUTD( 猫下部尿路疾患 )と呼びます。 猫泌尿器症候群(FUS) と呼んでもいいでしょう。簡単にわかりやすく言えば、膀胱炎ですが、その原因、治療は様々です。

 元来、猫は尿の濃縮能が非常に高く、とても濃い尿をします。そのため、最近は繁殖しにくく、他の動物で一般的にみられる細菌感染による感染性膀胱炎は多くありません。むしろ、濃くなりすぎることで問題が起きます。濃くなりすぎることで、粘膜に障害性を示したり、結石を形成したりします。食餌や気温、ストレスなどが関係します。しかし、腎臓に障害を生じ、尿の濃縮能が低下してきた場合には、急に細菌が繁殖しやすくなり感染性の膀胱炎が増えます。

 よって治療には、原因を見極めることが極めて重要です。尿の濃縮は?結石はあるのか?腎臓機能は?細菌は増えているか?食餌は?環境は?ストレスがかかることはなかったか?などなど。

 確率的には、食餌とストレスが関係したタイプが多いのですが、「ちゃんと結石対応のフード食べてます!」と言われることがあります。それでも食餌が原因のことが多いのです。結石対応と書いてあっても、全部一緒くたにしてはいけません。その対応力はピンキリなのです。

 つまり、膀胱炎の症状が出ていても、原因は様々で、治療も様々ということです。放っておいても、症状が収まることがありますが、それは治ったわけではないことがあります。次に症状が出た時には、膀胱内に大きな結石が出来ているかもしれません。

 予防としては、その仔にあった適切な食餌、運動して、ストレス溜めず・・・・・、人間もそうありたいですね!

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